Macの音声入力、クラウド型とローカル型の違い
クラウド型とローカル型では、音声の扱いがどう違うのかを書きます。置き換えてみて分かったことも。
音声入力アプリを選ぶとき、たいていの人は精度と価格を見ます。私もそうでした。でも先に見るべきなのは、声がどこで文字になるか、です。
処理場所で分かれる
音声入力アプリは、音声をどこで処理するかで大きく分かれます。マイクの音声をサーバーに送って、向こうで文字にして返すもの。Macの中で文字にして、音声をどこにも送らないもの。両方を組み合わせたものもあります。見た目は同じです。キーを押して、話して、離す。文字が入る。違いは、その裏で何が起きているかです。
クラウド型が長く主流だった理由は単純で、少し前まではMacの中で日本語を実用的な速さで文字にするのが難しかったからです。音声を送るのが当たり前になりすぎて、私自身、気にしなくなっていました。
アップロードが意味すること
声を送るということは、話した内容がそのまま外に出るということです。Slackに送る一言も、メールの下書きも、口に出した瞬間に他社のサーバーを通ります。利用規約には、たいてい「学習には使いません」と書いてあります。書いてあることと、アプリが実際に送っていることは、別々に確かめる必要があります。
私は2026年9月に、よく使われているクラウド型の音声入力アプリを一つ、インストール後の中身を開いて調べました。名前はここでは出しません。入っていたのは、音声を外部の文字起こしサービスに送る部品、画面収録の権限、デスクトップと書類フォルダへのアクセス、二社の解析ツール、そして利用者に確認せずに更新する仕組みでした。アプリの容量は785MBでした。音声入力に必要な部品は、その一部です。
ローカル型が現実的になった理由
macOS 26で、AppleはSpeechAnalyzerという新しい音声認識のAPIを導入しました。ライブ音声と長い録音に対応していて、モデルはMacの中で動きます。話しながら文字が出て、日本語にも英語にも対応していて、利用料はかかりません。
もうひとつの選択肢はWhisperです。OpenAIが公開したモデルで、whisper.cppという実装を使えばApple Silicon搭載Macで動きます。ゆびは二つの方式に対応していて、どちらも音声をMacの外に出しません。
見分け方
アプリがクラウド型かどうかは、権限を見るとだいたい分かります。システム設定のプライバシーとセキュリティを開いて、そのアプリが何を求めているかを見てください。ゆびが使うのはマイクと、文字を入れるためのアクセシビリティの二つです。画面収録やフォルダへのアクセスを求めるアプリは、音声入力以外のことをしています。
もうひとつは、アカウントが要るかどうか。サインアップ画面が出るなら、そのアプリはあなたのアカウントを作ります。それだけで利用状況の収集が分かるわけではありませんが、Macの中で完結するアプリにログインは要りません。
精度は落ちるのか
私が日常会話で試した範囲では、SpeechAnalyzerの日本語は、以前使っていたクラウド型に近い結果でした。固有名詞や社名はどのエンジンでも苦手なので、ゆびにはよく使う言葉を登録する欄があります。Whisperは話し終えてから処理する分だけ待ちますが、私の環境では雑音のある場所で崩れにくいことがあります。
私は、わずかな精度差より、音声をMacの外に出さないことを優先しました。それがゆびを作った理由です。